アタシはイレモノ
相談
昼休み。


あたしと亜耶は2人で屋上に来ていた。


いつも通り並んで座り、お弁当を広げる。


昨日の夜から亜耶の事が心配であまり食べられなかったから、お腹はペコペコだ。


「なんか、心配かけちゃってごめんね」


大口でご飯をほおばるあたしに、亜耶は申し訳なさそうに言ってきた。


「亜耶が悪いんじゃないから、謝らないでよ」


あたしが早とちりをして、近所の人まで連れていってしまっただけだ。


今度あの人に会ったら謝っておかなきゃ。


「でも、菜月がそんなにあたしの事を心配してくれて嬉しいなぁ」


亜耶はそう言い、微笑んだ。


それは同姓のあたしから見てもドキッとするほど美しく、妖艶だった。


太陽に照らされた茶色い髪はキラキラと輝き、風が吹くたびにポニーテールが揺れる。


たったそれだけで随分と絵になっている。


きっと、川上君もそうだろう。


太陽も風も味方につけてしまうような、ずば抜けた容姿をしている。
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