アタシはイレモノ
「あたし、今日は忙しいから」


そう言い教室を出ようとしたら腕を掴まれて引き止められてしまった。


「時間はとらせない」


栞理はそう言い、半ば強引に歩き出したのだった。


無理矢理連れてこられた先は、今は使われていない教室だった。


中は埃っぽくて、がらくたみたいなものが所せましと積み上げられている。


あたしは周囲を見回して身震いをした。


栞理が後ろ手にドアを閉めてあたしを見た。


その目は鋭かったが、あたしは栞理を真っ直ぐに見返した。


ここでひるんで視線をそらしたら、相手の思うつぼだ。


一体どんな罵声を浴びされるかわからないけれど、何を言われても言い返してやればいいんだ。


そう思い、覚悟を決めた。


その時だった。


栞理が思いもよらぬことを口にしたのだ。
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