アタシはイレモノ
栞理は特別仲の良い子じゃない。


栞理の周りには華やかな子ばかりが集まり、なんだか世界が違う気がするんだ。


同じような華やかさをもっていても、亜耶は違う。


人を引き付け、誰とでも打ち解けるのが亜耶だ。


悩んだ末あたしは栞理に返事をした。


《あの写真は本物なんだよね?》


それだけの短い文章。


昨日見た写真はにせ物かもしれない。


あたしと亜耶の関係を壊すための罠かもしれない。


そんな思いが少しだけあった。


でも、きっとあれは本物だ。


あたしと亜耶の関係を壊したって、栞理にとってもメリットは何もない。


そんなもののためにわざわざにせ物の写真を作るなんて、栞理はしないだろう。


栞理からの返事はすぐに来た。


《本物に決まってるでしょ?》


その文章と一緒に怒った顔のキャラクタースタンプが貼られている。
< 78 / 275 >

この作品をシェア

pagetop