アタシはイレモノ
誘い
仮病を使って休んでしまった翌日。
なんとか目の腫れが治まったので、あたしが学校へ行く事にした。
いつまでも仮病を使って休んでいたら学校に行けなくなってしまいそうだし、栞理がいるからきっと大丈夫だ。
ノロノロとカメのような動きで制服に着替え、ダイニングへ向かう。
「おはよう」
そう言うと、コンロに向かっていたお母さんが振り返った。
フライパンには丁度よく焼けた卵焼きが乗っている。
「今日はもう大丈夫なの?」
制服姿のあたしを見て、そう聞いてくる。
あたしは「うん」と、返事をして椅子に座った。
お母さんは何も言わないが、昨日の休んだのは仮病だと気が付いている様子だった。
半分は怒られる覚悟だったから、何も言わないお母さんに居心地が悪くなり、あたしは食器の準備を始めた。
すると、目玉焼きを切りながらお母さんが呟くように言った。
「人には言いにくいことは、誰にでもあるからね。お母さんからは聞かないから」
すべてを見透かしたように言われ、あたしは動きを止めた。
一瞬迷ってから「ありがとう」とだけ言い、あたしはテーブルに食器を並べたのだった。
なんとか目の腫れが治まったので、あたしが学校へ行く事にした。
いつまでも仮病を使って休んでいたら学校に行けなくなってしまいそうだし、栞理がいるからきっと大丈夫だ。
ノロノロとカメのような動きで制服に着替え、ダイニングへ向かう。
「おはよう」
そう言うと、コンロに向かっていたお母さんが振り返った。
フライパンには丁度よく焼けた卵焼きが乗っている。
「今日はもう大丈夫なの?」
制服姿のあたしを見て、そう聞いてくる。
あたしは「うん」と、返事をして椅子に座った。
お母さんは何も言わないが、昨日の休んだのは仮病だと気が付いている様子だった。
半分は怒られる覚悟だったから、何も言わないお母さんに居心地が悪くなり、あたしは食器の準備を始めた。
すると、目玉焼きを切りながらお母さんが呟くように言った。
「人には言いにくいことは、誰にでもあるからね。お母さんからは聞かないから」
すべてを見透かしたように言われ、あたしは動きを止めた。
一瞬迷ってから「ありがとう」とだけ言い、あたしはテーブルに食器を並べたのだった。