アタシはイレモノ
心配そうな君
半ば強引に栞理と遊びに行く約束をした時、前側のドアが開いて亜耶が教室に入って来た。


亜耶と目があった瞬間、ドクンッと心臓が跳ねる。


罪悪感に似た感情と怒りが混ざり合い、あたしの胸の奥でぐるぐると渦を巻いている感じがする。


亜耶が口を開けた瞬間、あたしはバッと勢いよく顔をそらしていた。


あからさまな態度に、栞理が小さく笑う。


心臓はまだドクドク言っていて、今亜耶がどんな表情をしているのかすごく気になった。


亜耶はクラスメートの誰にも挨拶をせず、そのまま席に座ったようだ。


あたしはそれを確認してホッと胸をなで下ろした。


「裏切り物に声をかけられなくてよかったね」


栞理にそう言われ、あたしは「うん」と、頷いたのだった。
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