青い蝶



身なりが全体的に緩い、というか。

簡単に言って、見た目がチャラい系男子《佐伯 陽介》が居た。 





でだちからいくと、一見柄が悪そうに見えるが。

外見も、中身も、ぜんぜん温厚な奴なのである。

いや、バカか。





「さっきから、すっげ~! 呼んでるのに……気づけよ!!」






まだ、特に何も言ってないのに…

美里が悪愚痴を内心言っていることをつゆ知らず、

偉そうな態度で指を差して言ってくる

少しイラッと来たのは、気のせいの事にしとこう・・・。





「そうだったの? そらぁー、すいません。んで、用は何?」





そして面倒臭いので、軽くあしらう美里。

呼び掛けて無視されても伝えたい用とは一体、何ぞや?





「……はぁ……」




…溜め息とはなんだよ、溜め息とは。

失礼だな!

私は、陽介に苛立ちを覚えつつも、次の言葉を待った───

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