私を思って

「名前なんて言うの？」



「橘 茜っていいます。高二です」



「俺は桜庭 歩夢で、俺も高二。よろしく」



「よ、よろしくお願いします」



「はは。敬語じゃなくていいから」


初めてなのにフレンドリーで優しくて

なんていい人なんだろう


「俺、双子の弟がいるんだ」



「そ、そうなんだ」




「あ、来た来た。かける！こっち！」


あゆむくんが声をかけた方へ顔を向けた





全く同じ顔…

「こいつが、弟の翔。しょうって書いてかけるって読むんだ」


その人の顔を覗き込むように見ると、不機嫌そうな顔をしていた


一応、挨拶は、しといた方がいいよね…


「私、橘 茜っていいます！」


「…」


あ、あれ



「よろしくお願いします」


「どーも」



愛想悪いな…


かけるの第一印象はこれ



「こんなだけど、悪い奴じゃないんだ。仲良くしてあげて」


「あ、うん！」