記憶の片隅に―I don't forget you―
第2章*2002年2月
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「美波、大丈夫?」


「全然、大丈夫じゃないよ!  やばそう…おっととと」


「とりあえず、私たちの後についてきて!」



「えぇー、ちょっと待ってよ! きゃあ〜助けてっ!」


悲鳴とともに、真っ白な銀世界にドスンと尻餅をついた。


小さな子供が目の前でケラケラ笑っている。



……恥ずかしい。早く立ち上がらないと。


リフトを目指す人たちも皆、振り返って見ていく。 


……やだ。あまり見ないでよ! 恥ずかしすぎる。



さっきから、ずっとこんな調子だ。



せめてもの救いがゴーグルをしていること。



素顔なんか、曝せないよね。とにかく早く立ち上がらないと。 


……えぇ?!立てない。 

立ち上がろうとしてもバランスを崩して、またしてもよろめく。 



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