記憶の片隅に―I don't forget you―
生まれて初めてのスキーに四苦八苦。


ウェアや小物類もこの日のために新調したというのに。 


これでは、宝の持ち腐れになってしまう。


4時間かけてようやく辿り着いたスキー場だけれど、今すぐ帰りたくなった。


……ダメだ。


私には、スキーは向いていない。


骨折でもしたら洒落にならない。



どうしても弱気な心が芽生える。 


涙目になりながら、先を行く二人の姿を探すけれど、多数のスキー客に紛れて見つからない。



……一人にしないでよ。 



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