ずっと君を見ていた……
スゴイ歓声と熱気の中、翔陽高校との決勝戦は、両者得点が出来ないまま、気づけばもう9回の裏。


松風学園の攻撃中だ。


なんとかランナーが2塁にいるものの、ツーアウトになってしまった。


しかも次のバッターは、海人だ。


私はもう息ができないくらい緊張していた。


スコアブックをにぎる手が、緊張して力が入ってしまう。


バッターボックスに行く前に、海人がスッと、ベンチを見た。


口がパクパク動いてる。


ん?


み……て……ろ……?


グッとこぶしを握る海人に、私は……。


うん!!とうなずいて……、ニッコリ笑った。
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