世界の暗転
朝日が眩しい。
ちらっとスマホを見る。今はまだ7時17分だ。特にすることもなかったので、少し散歩でもしようと思った。
私の住んでいる街は、都会より田舎よりの町だ。流石に休日なのでこの時間は、仕事に行く人や犬の散歩をしている人、ジョギングやウォーキングをしている人をちらほら見かけるだけだ。
私はぼんやりとしたこの世界をとても心地よく感じていた。
体力のない私は人気のないひっそりとした公園のベンチにに腰をおろし、ぼんやりとしていた。
朝の風は少し冷たく、日差しは生ぬるく、また眠気を誘う。




少しのあいだ寝てしまっていたようだ。
スマホを見るともう7時57分だった。
本当にひっそりとした公園だ。ベンチが2つあるが、それ以外はない。公園と呼べるのかもわからない。雑草も生え放題で、管理されているのかもわからないが、私はここが好きだ。
そろそろ起き上がろうと、腰をあげようとすると足元にひとつの人形が落ちていた。
とても、かわいいと言えない悪趣味な人形だ。全体的に黒く、目がカタツムリのように飛び出していて片手には杖を持っている。口のあたりには脳みそのような臓器までぶら下がっていて、これ以上にない不快感を味わった。地面にすて、帰ろうとすると、
「おい、まてよ。」

「貴様に行ってんだよ。」

私はびっくりして立ち止まる。どこから話しかけられているんだ?私はそれを深く疑問に思う。
「いま下にいるだろ?はやくきがつけよ。ったくこれだから人間は」
「なんなんだ…?」
私は当たり前のように問う。
「お前はゲームの登場人物に選ばれた。拒否権はない」
図太い声で私にいう。
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