騎士
『やっ…やだッ!!』
『グズグズしないでついてきなさい!!』
全力で拒否しだした私を、周りの人がチラチラと見てくる。
それを見かねてか、まるで父親のような言い方をしてくる。
『ヤダっ!!』
そういって私はおじさんの足を思いっきり蹴り、手の握る力が緩んだとこでなんとか逃げ出し全速力で走る。
『まちなさい!』
絶対に嫌だった。
誰かもわからないあかの他人に何をされるかわからない。
そんな恐怖で私は溺れていた。
もう無我夢中だった。