騎士
ガシッ

だけど、男と女。しかも小一に大人。
勝てる訳なかった。

すぐに捕まることは目に見えている。

案の定、私はすぐに捕まった。

『はッ、離してッ!!』

私は涙目になりながらも必死に抵抗した。

『文句いわないで、早く家に帰るぞ!!』

周りの人は、それを聞いて私とおじさんは親子喧嘩をしていると思いこんだようで、ほとんど視線を感じなくなった。

助けを呼びたいけど、怖くて呼べない。

(お願い…っ誰か…助けてッ!!)

私は必死にそう願った。
願うしかなかった。

『おじさん。その手、離して』
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