騎士
『こっち』
少年が私の手を引く。
そして走り出す。
向かった先は数十メートル所離れたところ、それでも私たちから一番近いところの20代くらいの 3・4人の女性の集まりだっ。
『誰か助けて…!!』
少年が叫ぶ。
女性たちが一斉にこちらに振り向く。
そして女性全員こちらに駆け寄る。
『どうしたの?』
女性の中の1人が尋ねてくる。
『知らない人が僕らをさらおうとして…ッ!!』
少年が指を指す。
『え?』
女性は全員が少年が指さした方をみる。
そこにはもう冷静さを失ったおじさんの姿が。
『…ッくそ!!』
そう小さく呟いて逃げ去っていった。