騎士
『私、一応警察呼んどくわ!』

『あのおっさん、なんなのよ!』

ワイワイガヤガヤ

女性たちが騒ぎ出す。

(よか…った…ッ)

『………ッ』

安心はしたものの、さっきの出来事がフラッシュバックしてきて震えが止まらない。

『…大丈夫?』

俯いてた顔をあげると、少年、女性の人たちが全員心配そうに私を見ている。

声をかけてくれたのは女性の1人。

『だっ……だい…じょっぶ…です…ッ』

心配はかけたくないのに、上手く呂律が回らない。

『無理しなくてもいいよ?』

少年が私に優しく言葉をかけてくれる。

『う…ん…ッ』

とうとう我慢ができなくなった私は泣き崩れた。

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