黄昏を往く君は


 私は悲鳴を上げる。
 でも、自分の声が聞こえない。
 常闇が私の声を吸い込んで、私の耳に還らない。
 私は滅茶苦茶にもがいて、死神から逃れようとする。
 声はどこにも届かない。

 ――いやだ。

 叫びは誰にも届かない。
 私は叫び続ける。

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