黄昏を往く君は


 パン。

と耳元でなにかが弾けた。
 白い塵が私の頬に掛かる。
 赤と青の人間たちが私に体当たりしてくる。
 私は身体を強張らせて、身構える。
 赤と青が私にぶつかった瞬間、それは細かい色とりどりの紙片のようなものに――私の見たことのなかった花びらというものに――変わり、祝福のように私に降り注いだ。
 私は涙を流した。


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