黄昏を往く君は
「殺してくれ……」
気がつけば、私は碧にしがみつき、懇願していた。
この青にふさわしい、強く、誇り高く、祖国に忠義を尽くす人間でなければ、生きている価値などない。
私の無様な懇願に、碧は虚を衝かれた顔をし、それから私を憐れむように見た。
その目が私をさらに不甲斐なくさせ、死にたくさせた。
「頼む……碧」
「茜」
真剣な声で碧が私を呼んだ。
碧は私の頬に両手で包み、私に顔を上げさせた。
私が碧を見上げていると、碧は慎重な面持ちで顔を寄せてきた。
目を瞑った碧が、彼の睫毛がどれほど長く、どれほど濃い影を頬に落としているかじっくりと観察できる距離にいる。