黄昏を往く君は


 私はがっくりと少年兵の亡骸の前に跪いた。
 低くうなだれ、傷を負った胸を押さえる。
 赤い血がどくどくと流れる。
 前方に人に気配がした。
 ゆっくりと近づいてくる。
 敵だと思った。
 この傷ではまともに戦えまい。
 絶望した。
 死ぬかもしれない。
 私はうつろに微笑んだ。
 それも良い。望んだ結末だ。
 私は多くを殺してきた。報いを受けるべきではなかろうか。 願わくは、最も凄惨な死を。

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