brass band
………………
『はぁーーー』
私は、教室に入るなり席につき、ため息を漏らした。
『なんだよーどうしたんだよ』
岡が声をかける。
あ、もう来てたんだ。
いつもそのくらいで来いよ。
『あ、おはよう。今日早いね。
あ、いや、ね?吹部の夏も終わったし、いよいよ受験かぁーって!何も考えて無かったからさ』
『おはよう。
そっか、おつかれさん。
つっても、音本って推薦来るだろ?それで行けばよくね?』
あえてなのか、岡は【吹部の夏も終わり】について触れなかった。
『そうだね。多分来るんじゃん?』
『J高?』
『Jかぁー……んー、来るといいな』
私の一言に岡が一気に口元の端を上げた。
『ほら!前向きに考えればもう大丈夫!な?』
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