あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]
Prologue
地球とは違う異世界──サーチェル。
サーチェルには、三つの界がある。
天界 ルクティア。
魔界 ウェズリア。
人間界 オスガリア。
さらにルクティアは天使や神が。
ウェズリアには、魔力をもつ魔法使いたちが住んでいた。
それぞれは独自の文化を持ち、発展して強力な国を作り上げていた。
けれど、その中で特に強い力を持たない国があった。
オスガリア。
彼らは、人間で天使や魔法使いに比べると、脆弱で力では及ばない。
唯一勝つところがあるといえば、その国民数だった。
圧倒的なその国民数は、ウェズリアとルクティアの国民を足しても足りないほど。
けれど、あるときオスガリアは環境が劇的に破壊されてしまった。
住めることができなくなったオスガリアは困り果て、ある行動に出た。
ウェズリアを侵略しようとしたのだ。
けれど、それはひとりの少女によって、阻止された。
その少女は、ウェズリアの最強の魔法使い。
『魔女』
地球から召喚された、普通の女子高生
藤谷 麻央 だった。