あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]
「それで、用っていうのはね、ここでは詳しく話せない。けれど、クレアに協力してもらいたいことなの」
「……まおさんが私に会いにきたことも含め、他言しないほうがいいですよね」
クレアが頭を近づけてきて、こっそりとあたしの耳もとで囁いた。
この落ち着きっぷりと理解の速さ。
本当にこの子は10歳かね。
自分よりもずいふんも大人っぽく思えてしまう。
あたしは、こっくりと頷いた。
「それでは、一通り訓練を終わらせ、また後で落ち合いましょう」
「ありがとう。 中庭で待ってるね」
ぱたぱたと可愛らしく手を振っているクレアに手を振り返し、あたしたちは約束の場所、中庭に向かうことにした。