あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]


 軍隊の魔術師の訓練塔から中庭は、そんなに遠くはない。

 喋っているとすぐに着いてしまう。


「にしても、ショウ、イケメンだったね~」

「本当に、美形な方でしたね。でもあの方って、使い魔なんですよね」


 使い魔の証である金の目を確かに見た。

 ウェズリアの住人で魔力保有者であれば、瞳は青になる。

 この国にいる金の目は使い魔にしか表れない。


「それは感じた」

 
 クコの言葉にシュガーが答えた。

 やっぱり、同じ使い魔だとわかるのかな。

 
「でも……」

「どうしたの? シュガー」

「なーんか違和感感じたんだよな」

「違和感?」


 どういうこと?

 首を傾げていると、


「そういえば!」


 クコが突然声を張り上げた。


「確か、クレア様とショウ様は、昔魔物と戦い、傷を負ったため、ショウ様はあの人間から変化できなくなった、と噂で聞いたことがあります!」

「つまり、本当の姿に戻れないっていうこと?」

「はい!」


 クコはこっくりと頷いた。




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