あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]
城に向かって歩きながら、ミムロちゃんからの情報を全員で確認する。
「魔法陣と、使い魔の言葉と、目の色かぁ……」
「気になる情報ばかりですが、これが全ての使い魔行方不明に共通しているかはもっと多くの当事者たちに事情聴取しないと無理ですね。その為にはやはり……まだまだ情報は少ないです」
呟いたあたしに、クコも頭を抱える。
〈とりあえず、今一番探りやすい情報と言えば……魔法陣の模様じゃないか?〉
いつのまにか猫姿に戻っていたシュガーがあたしの肩の上で丸くなりながら言った。
そんなシュガーを撫でながら、あたしは思案して首を傾げる。
「翼でしょ?なーんか、見覚えあったような気がして……」
「本当ですか!?」
「うん……もしかすると、クレアもそうじゃない?」
「え?」
家を出てからずっと一言も声を発さず、考え込んでいた風のクレアは、あたしの声にビクリと肩を震わせる。
「え?って……なんか、ずっと考え込んでるし……ミムロちゃんに魔法陣の模様を聞いたの、クレアじゃない」
「そうですが……」
一向に口を開かない。
目が、合わない。
怪しい。
何かを知っているのは確定だ。
けれど、クレアはそのことを口にするのを渋っているようだ。