あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]
次々と疑問が浮かぶものの、今すべきことはそれではないとそれらを思考回路から追い払う。
「とりあえず、ウェズリアに行こう。〈千年霊木〉に入るのは、なんとかする」
あたしの言葉に、全員が頷いた。
転送魔法陣を構築していると、紗桜が、「麻央」と声をかける。
「ここまで話を聞いていたんだもの。それに、本当にルクティアが関係しているのかも気になる。私も何か力になりたいわ。けれど今はまだ私はここを離れることはできない。だから代わりにルクレーシャに行かせるわ。それでいいかしら」
その心遣いがなによりも嬉しかった。
紗桜の美しいオッドアイを見つめ、頷く。
「ありがとう、すごく心強いよ」
あたしたちは、紗桜と別れ、ウェズリアに転送魔法陣で飛んだ。