あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]
「──『完了』っと。いいわ、通って」
「見事なものね」
ルクレーシャが、素直に褒めてくれたため、あたしはえへへと頭を掻いて照れてしまった。
褒められると、やっぱり嬉しいなぁ。
「向こうで何が起こっているか、全く把握できない状況だから、気をつけて」
「わかりました。それでは、私から」
クレアがサッと転送魔法陣に躍り込む。
続いて、ショウ、シュガーが魔法陣の中へと消えた。
「ルクレーシャ、先に行っていいよ」
「私は最後でいいわ。それに、その子、大丈夫なの?」
ルクレーシャが翼で指したのは、クコのことだ。
さっきより、目に見えて顔色が悪い。
立っているのも、やっとのようだ。
「クコ、つらいなら、ここに残ってて。リカエルさんもいるし」
「でも……」
あたしは、クコの肩に手を置いてその青い目を見つめた。
いつもの強い光は点ってはいない。
「……それでも、行きます」