あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]
一瞬、何事かと焦ってしまったけれど、よくよく見るとルクレーシャの背に、なにかがいた。
そう。
ミニチュア化した、クコだった。
「私の背に乗っていなさい。よっぽどのことがないかぎり、私は背に誰にも触らせない。落ちないように呪文はかけておいたから、そこはご心配なく」
「ルクレーシャ様……ありがとう、ございます……」
「いいのよ、早く行きましょう。先に行った方たちが、待っているわ」
ルクレーシャが魔法陣に向かい合うと、あたしたちがいない間この魔法陣を守ってくれるリカエルさんが一歩前に進み出た。
(この魔法陣は、無理矢理つなげた通路となるため、一度閉じてしまえば再び開くことはできない。そのために、この出口を守ってもらう必要があった。)
「何かあったら、私にすぐにご連絡ください」
「わかった。ありがとう。リカエルさんも何かあったらあたしにすぐ連絡ちょうだい。お城を留守にしちゃうけど、後のこと宜しくね」
「かしこまりました。 お気をつけて」
こうしてあたしたちは、魔法陣に飛び込んだ。