あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]




「王国侵略を目論んだ罪人としてね。きちんと裁いてもらうわ」

「私も一度戻って調べておきたいわ」


 ルクレーシャが金の瞳で、男を見た。


「本当にこの人は、何者なのか」


 調べなきゃいけないことが、わからないことがたくさんある。

 この人はウェズリアを侵略しようとし、さらに、同胞を“救済”すると言った。

 天力を使える、謎の男……。

 ああ、もう!

 使い魔を探しに来たのに、別の事件とも関わることになっちゃった。

 一度に二つのこんな困難な事件に巻き込まれちゃうなんて……。


「とりあえずは侵入罪ということで、男をウェズリアへ転送しましょう。サクラにも、一応報告しておくわ」

「あたしも、カカオに連絡しとく」


 すぐさま、カカオに回線を繋ぎ、連絡をとると、カカオは何も聞かず、

「そうか。こっちでは、この者を捕らえておく準備をしておく。転送してくれ」

 と、同意してくれた。

 話は後で、ということだろう。



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