天使が舞い降りたら…。

最初が一番ドキドキするシーンだったりして

ドキドキ…。


ある日の放課後。


私、川上咲（かわかみさき）は、緊張と言う名の山を登頂していた。


もうすぐ俊君が来る…。


中学3年生。


間もなく卒業の時期。


1年生の時から大好きな俊君こと緑川俊（みどりかわしゅん）。


1年生で同じクラスになり、そのカッコよさにあっさり惹かれた。


一目惚れだった。


2年生、3年生とクラスは別だったが、廊下ですれ違うと軽く右手を上げて笑顔で挨拶してくれる。


そんな笑顔を凝視出来ず思わず俯く私。


俊君は元バスケ部キャプテン。


後輩達を指導し、自ら進んで試合に出てゴールを決めて部を引っ張っていく。


その姿は私のみならず全ての女子生徒を魅了していた。


そんな俊君とは別の高校に進学する為、もしかしたらもう2度と出会う事がないかもしれない。


恋のライバルがたくさんいる事は分かっている。


でも。