天使が舞い降りたら…。
「まぁ、どうぞ。」
小さな丸テーブルに麦茶を入れたコップを差し出す。
その途端、白いステッキで頭を叩かれた。
「痛ったーい。何するのよ!」
「ここは粗茶ですがどうぞ、って言う所やろ。それに座布団くらい用意せえや。」
「何で浮いているキューピッドに座布団がいるのよ!」
「ワシはお客様やぞ。お、きゃ、く、さ、ま!」
「お客様って勝手について来ただけじゃ、痛ったーい!」
「お客様は神様やぞ。三波春ちゃんも言うてたやろが。」
「三波春ちゃんって誰よ?」
「三波春ちゃんも知らんのかいな!?大阪万博やがな。」
「大阪万博!?それって何年前よ?」
「かれこれ、ほんの半世紀ほど前やがな。」
「半世紀も前の事なんか知らないわよ。それよりもその白いステッキ、凄く痛いんだからぁ。どんな素材で出来てるのよ!」
「ん?このステッキか?」
キューピッドがマジマジと眺める。