天使が舞い降りたら…。
「男性キューピッドの中で一番のアイドルは織姫ちゃんやからな。」
「織姫ってアイドルなんだ…。」
「そやで、毎年七夕の前日に新曲出してるからな。ワシはもちろん毎年買ってるで。」
「新曲出してるんだ。」
「一番最近出した曲は特にエエ曲やった。タイトルは『彼の職場は尖閣諸島♡』って言うんや。」
「凄いタイトル…。」
「そんな訳でアイドル織姫ちゃんをストーカーする彦星は1回シメなあかん。」
年に1回しか会えない彦星をストーカー扱いするなんて…。
「まぁ、色々言うてきたけれど、最初に言った通り、ワシは姉ちゃんの恋を叶える為に来たんやからな。安心せい。」
「大丈夫かな?」
「大丈夫に決まってるやろ。何たって、ワシは奥多摩キューピッド労働組合書記やからな。」
「その役職が中途半端で信用出来ないんだけど。」
「何言うとるねん。誰でもなれへんねんで。ああ、後、去年キューピッドオブザイヤーにも輝いたからな。」
「そんなのあるんだ。」
「ないで。」
「ないのかよ!」
頭が痛くなってきた…。