天使が舞い降りたら…。
安藤彩香(あんどうさやか)。
典型的なお金持ちのお嬢様。
小学生の頃からの同級生だけど、高飛車な性格が全く合わなくて大嫌い。
彩香も私の事、嫌いだって知ってるけど。
「そうそう。」
彩香は赤い羽根の付いた扇子をゆらゆら揺らしながら話しかけてきた。
「彩香ね、卒業前に大好きな殿方に思いを伝える事にしたの。」
「ふーん。」
どうでもいい。
それより赤い羽根の共同募金みたいな扇子、どこで買ったの?
「どの殿方に思いを伝えるか知りたい?」
「別に。」
「仕方ないわね。咲さんは昔からの友人だから特別に教えて差し上げますわ。」
別に、って言ってるのに。
「それはね。」
彩香は高らかに宣言した。
「緑川俊様ですのよ!」
「な、何ですと!?」