天使が舞い降りたら…。


「あ、悪魔!?」



「悪魔??ああ、これの事かしら。」



彩香は自分も見上げると、悪魔の背中を優しく撫でた。



「可愛いでしょ。悪魔のキャサリンちゃん。」



「あ、悪魔のキャ、キャサリン…。」



「そうよぉ。このキャサリンちゃんが居れば、私の思いも伝わったも同然。しかも相思相愛も同然なのよぉ~。」



私の頭の上には天使の大島さん。


彩香の頭の上には悪魔のキャサリンちゃん。


天使と悪魔。


まさに分かりやすくライバル出現、って事…。



「では、咲さん、ごきげんよう~。」



彩香はキャサリンちゃんを引き連れ、呆然と立ち止まったままの私を置いて去って行った。



「え、えらいこっちゃ…。」



大島さんの呟きで我に返る。



< 29 / 91 >

この作品をシェア

pagetop