天使が舞い降りたら…。


「どうやったら悪魔から天使に戻れるの?」



「それはな。」



ウルウルとした目で見つめてくる大島さん。



「甘い恋愛を思い出せばいいんや。」



「どうしたら思い出すの?」



「自分に憑りついている人が恋愛成就出来れば天使に戻れる。」



「憑りついている人…、ええっ!!」



思い切り声を張り上げた。



「彩香じゃん!」



「そうや。」



「と言う事は、彩香が俊君と結ばれたらキャサリンちゃん、いや、優子さんは天使に戻れるって事?」



「そうや。」



「じゃあ、私はどうなるの?」



「咲は咲だけに見事に散るって事やな。どうや、ワシ上手いやろ?」



大島さんの胸ぐらを掴んで上下左右に揺らしまくる。



「そんな事言ってる場合じゃない!」



「分かってるがな。ワシかて、咲の恋愛が成功せんと組合長に怒られるんやから。」



そうだった。


< 35 / 91 >

この作品をシェア

pagetop