天使が舞い降りたら…。


「はぁ~。」



緊張と言う名の山を転がるように下山した私は一気に体中に力が抜けてその場に座り込んで動けなくなってしまった。


明日の5時。


その時間に私の運命が来まる。



「これでいいんだ。これでいいんだ。」



自分に強く言い聞かせ、やっとの思いで立ち上がる。


時計を見ると午後4時10分。



「今から13時間後。明日…、しっかりと自分の思いを伝えるんだ。」



帰ってどのような言葉で告白しようか考えようと思い、廊下を歩き始めた途端、誰かの声が聞こえた。



『13時間後なら午前5時でっせ。』



ん?


誰?



『朝の5時に告白されてもきっと失敗しまっせ。』



何、この間違えた事に対する揚げ足取るような声は。


スッと後ろを振り返る。


廊下には私以外誰もいない。



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