天使が舞い降りたら…。


「で、伝道師さんが私に何が御用?」



目の前にいる青い物体は相変わらずふわふわと浮いている。



「悪いが俺にも名前ってもんがあるんだ。伝道師って呼び方を辞めてくれるかな。」



「ゴメン。」



「俺の名は、オザワイチロウ。」



「どっかで聞いた事ある名前ね。」



「気のせいさ。」



「そうかな…。まぁ、いいや。で、イチロウさんがどんな御用?」



「咲の恋愛成就にやって来た。」



「伝道師って言ったわね?」



「言った。」



「何してくれるの?」



「伝道師とはキリスト教の教職者の意味もあるが、熱心に物事を進める人、俺の場合は人じゃないけど、と言う意味もあるんだ。」



「へぇ~。」


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