天使が舞い降りたら…。


「彩香には教えてくれないんですかぁ~?」



「ああ、悪い。」



「そんなぁ~。」



何だからさっきから彩香のキャラがぶれまくってる気がする。



「キャサリンがいるからさ。」



イチロウさんが当たり前のように言う。



「悪魔に憑り付かれると、恋心だけでなく、人格まで奪われるからキャラがぶれるんだよ。」



悪魔って…。


恐ろしい…。



「もう、いい!」



彩香は大声を出すと、そのまま俊君の胸に飛び込んだ。



「彩香の奴…、キャラぶれたのにどうして俊君に抱きついてるのよ!」



「分かったわ。最後に…、最後に…。」



彩香の頬にキラリと光る涙。



「彩香を抱いて。そしてキスして!」



な、何てこと言うんだ!!


フラれたのにキスしてくれって!


どれだけ都合がいいんだ!!


俊君は抱きついてきた彩香を優しく体を離すと見つめながら微笑んだ。


< 61 / 91 >

この作品をシェア

pagetop