天使が舞い降りたら…。


「あんた…、何?」



その姿を見てポカンと口を開けてしまった。


頭の上でふわふわと浮いている物体。


身長は30センチ程。


背中から白い羽根。


アフロ頭の上にはキラキラ光る輪。


右手には白いステッキ。



「なにて、どこからどう見てもキューピッドやろ。」



小さな可愛い天使のように見えるのだが、声は浪速のおっさんだった。



「キューピットとは思えないダミ声だけど…。」



「声はしゃーない。生まれつきやからな。この可愛い顔に免じて許しくれや。」



モチモチとしたほっぺ。


ぱっちりとした目。


丸い輪郭。



「確かに顔は赤ちゃんのように可愛いけど…。」



どうしても関西弁のダミ声が受け付けない。



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