天使が舞い降りたら…。
最後の思い出
「ぐ、うぐぐ…。」
ゆっくりと自分の胸元に視線を下ろすと真っ黒な槍が刺さっていた。
「ん?川上どうした?」
何も気付かない俊君。
「い、いやぁ~。」
何て言えばいいのだろう。
まさか、悪魔に刺されました、なんて言えないし。
キャサリンちゃんは私を刺した槍を思いきり引き抜くと、ニヤニヤと俊君の頭上に戻って行った。
「咲、大丈夫か!?」
右肩から焦りながらイチロウさんが尋ねてくる。
「大丈夫…。」
なんだけど…。
全く痛みを感じないからどうリアクションしたらいいのか迷ってしまう。
てか、刺されたけどどうなったのだろう…。
再び顔を上げて俊君の顔を見つめた。
「大丈夫か?」
心配そうに見つめてくる俊君。
そんなに顔を近づけないで…。
は、恥ずかしい…。
!!