天使が舞い降りたら…。


私が俊君に連れられて病院まで駆け込んでいるうちに伝道師のイチロウさんはいつの間にかいなくなっていた。


悪魔のキャサリンちゃんも俊君の頭上で浮いていない。


きっと、私を刺した事で役目を終えたって事なのだろう。


もう誰もいない。


本当に2人だけ。



「川上、どうした?」



病院の裏の建物の陰で。


私は俊君と向かい合って俯いていた。



「俊君、病院まで連れて来てくれてありがとう。」



「そんなのどうって事ないって。」



「でね、本当に言いたい事がまだ言えてないの。」



顔を上げる。


俊君と目が合う。


ドキドキ。


胸の鼓動が高鳴る。


でも。


もう言える。


大丈夫。


私は…、告白する。


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