天使が舞い降りたら…。


「いやぁ、すっかり遅なってしもうた。」



大島さんはベンチに座った私の手のひらの上で頭を掻きながらニコニコ微笑んでいた。



「天竺はどうだった?」



「やっぱり天竺は広いわ。ちょっと道に迷てしもうてな。」



「それで遅くなったんだ。」



「いや、遅なったんはミスドが100円セールしてたからついつい寄ってしもたからや。」



「どこ行ってるのよ!」



「まぁええやないか。すべて上手く行ったんやから。」



そうだね。


大島さんのお陰で私、俊君と結ばれたもんね。



「ねぇ?」



「何や?」



「私、キャサリンちゃんに刺されたけど無事、俊君と結ばれたんだけど?」



「ああ、それか?」



「どうして私は何ともなかったの?」



「オザワのお陰や。」



「イチロウさんの??」


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