ツバサをなくした天使 〈あた魔女シリーズ〉
また、ショウと大空を自由に飛び回りたい。
くだらないことで、笑いあいたい。
魔力の訓練をして、また翼を大きく広げ、空を飛んで……。
『大好き』って、伝えたい。
ピクリ、とショウの瞼が動いた気がした。
「ショウ!?私だよ、クレア!」
届け。
誓ったんだ。
彼が、私を身を挺して守ってくれたときから。
「起きて、ショウ!」
私は、彼に縋り付く。
「……あ?」
「え──?」
ギュッと握っていた手を握り返される。
「ク、レア……」
「ショウ! ショウ!」
彼の瞼がゆっくりと開き、金の瞳があらわになった。
ショウが、目覚めた!
ボロボロと、涙が溢れて止まらない。
彼は、ゆっくりと身体を起こして、自分の身体の様子を見る。
「オレ、どうして……」
「いろいろあって……でも、よかったぁ」
「わっ、クレア!」
私は、遠慮なしに彼に抱き着いた。
まだ身体が慣れていない彼は、ドサリと再びベッドに倒れ込む。