ツバサをなくした天使 〈あた魔女シリーズ〉


 そのあといくら試しても、ショウは翼になるどころか、本当の姿の鷹になることすらできなかった。

 
「オレは、使い魔じゃなくなったのか……?」


 使い魔は、普通の動物から、パートナーがいたときに使い魔となる。


「それはないわ」


 私はきっぱり否定した。


「だって、私とショウはまだ通じているから」
  

 そう。

 “心”は、まだ通じていて、ショウが感じていることも伝わって来る。

 まだショウは、私のパートナーだ。

 それに、使い魔の証、金の瞳は変わらず美しい。


「じゃあ、なんで変化できない?」

「翼になれないのは、私の背中のキズのせいかもしれない」



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