Knights of the Round
渓谷の攻防
数万を超える騎士王の軍勢が進む。

錚々たる進撃。

白銀の甲冑を纏った騎士達が、剣や槍を携え、馬を駆って進む姿は圧巻であった。

蛮族だろうと亜人種だろうと、人間より遥かに恵まれた体躯を持つ巨人族であろうと、その軍勢には畏怖せざるを得ない。

「モルドレッド様!」

一人の蛮族が駆け込んでくる。

「騎士王の軍がカムランに向かって進軍して参ります!その数、数万!」

「いよいよ来たか」

紅と黒の甲冑に身を包んで、モルドレッドは玉座に座して足を組んだまま。

そこに焦りの表情は見えない。

何を焦る必要があるのか。

グェネヴィアを奪い、円卓の騎士の半数以上を葬り去り、騎士王に反旗を翻す。

その時点で、こうなる事は予測済みだ。

「なぁグェネヴィア?」

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