Knights of the Round
「だが」

そんなガウェインとランスロットの会話に割って入る者が一人。

女性騎士のケイ。

九日九晩寝ずに働けるほどのタフネスで、気が強く男勝りながら、若く美しい娘だ。

「確かにモルドレッドは何を考えているか分からない面がある。心の機微に疎い…といえば聞こえはいいが、そんなふりをしているだけかもね」

「ケイ。言葉が過ぎるぞ」

ケイの発言を、ガウェインが窘めた。

「だってそうは思わないかい?ガウェイン殿。あいつはさあ…」

「ケイもガウェイン殿も、やめて下さい」

ランスロットが二人を止めた。

「俺は本当に気にしていませんから」

「そうかい」

ケイはやや冷ややかな目でランスロットを見る。

「私は少し『気にした方がいいと思うけどね』」

「……」

女性ならではの勘の鋭さか。

ケイはランスロットとグェネヴィアの関係についても気付いていた。

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