Knights of the Round
荒野の先。

砂埃を巻き上げる風の中、一人の騎士が立っていた。

キャメロット王国制式のものと同じ白銀の甲冑。

元結で縛った蒼く長い髪が、その風に靡く。

携えるは嘗ての聖剣から、仲間殺しを経ていまや魔剣と化したアロンダイト。

「お、お前は…」

アーサーが驚愕する。

「ええ」

ガラハッドは馬を降りた。

「元円卓の騎士にして、陛下を裏切り王妃グェネヴィアと不義の恋に落ちた挙句、谷底に消えた筈の我が父、ランスロット」

ガラハッドはスラリとレーヴァテインを抜いた。

「死して尚、迷い出て陛下に反旗を翻すのか!」

「…死してなどいない。俺は谷底に落ちた後、運よく岩の窪みに引っ掛かって一命を取り留めた。そこを救われたのだ。モルドレッドにな」

息子ガラハッドとは対照的に、ランスロットはゆっくりとアロンダイトを抜いた。

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