Knights of the Round
その頃、王宮内の別の場所。

「モルドレッド」

灰色の長髪、紅い瞳の長身の騎士モルドレッドを、隻腕の騎士ベディヴェールが呼び止めた。

「ベディヴェール…義手の具合はどうだ?」

「おかげさんで」

ベディヴェールは左手をヒョイと掲げて見せる。

彼の左手は、先の戦争の際に失われた。

失くした腕に義手を与えたのは、他ならぬモルドレッドであった。

「今じゃ右腕よりも調子いい感じがする事もあるくらいだ。ありがとよ、モルドレッド」

「不具合があればいつでも言ってくれ。調整しよう」

「そいつはどうも。それより」

ベディヴェールは一歩歩み寄る。

「随分と痛快なやり取りだったな、ランスロットとは」

白い柄の槍ロンゴミアントを携え、呟くベディヴェール。

「口ではああ言っていたが、困ってたぜ、ランスロット」

「……」

モルドレッドはベディヴェールから視線を逸らした。

「配慮が足りなかった。彼には悪い事をしたと思っている」

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