Knights of the Round
カムランの荒野に転がる死屍累々。

一体何千の兵が、二人の円卓の騎士に斬られたのか。

追従する騎士王の兵士達も、傷つき、倒れながらも奮闘する。

騎士王軍、モルドレッド軍、共に残る兵は僅か。

そんな中。

「見事」

戦場に似つかわしくない、拍手の音が響いた。

視線を向けると。

「!!!!!!」

そこには十字架があった。

ほぼ全裸同然の姿にまで痛めつけられ、暴行され、凌辱されたグェネヴィア。

彼女が十字架に磔にされている。

そのグェネヴィアの傍らに立つモルドレッド。

「何と無惨な…!」

「おのれモルドレッド!貴様!」

何千もの敵を斬り、肩で息をして満身創痍のケイとパーシヴァルにも、怒りで再び力が込み上げてくる。

「アーサー、貴様の勇猛果敢な戦いぶり見事だった。円卓の騎士諸君も、死力を尽くした戦いぶり見事。本来ならば陣の最奥で貴様らを待ち構えるつもりだったが、その騎士王に恥じぬ戦いの褒美に、俺自らここまで出向いてきてやったぞ、アーサー」

モルドレッドは磔にされたままのグェネヴィアの白い肌に手を這わせる。

「さぁ、『俺の』グェネヴィアを奪いたくば、自らの足でここまで来い。並み居る我が軍の兵士どもを斬り倒しながらな」

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