Knights of the Round
挑発するモルドレッド。

しかし。

「パーシヴァル、ケイ」

アーサーは冷静に言った。

「グェネヴィアを助けてやってくれ。お前達にしかできない任だ」

「へ、陛下?」

ここに来て、アーサーはグェネヴィアの救出を拒んだ。

敵軍に一人で乗り込み、モルドレッドと戦う事に恐れをなしたのか。

我が身可愛さにグェネヴィアを見捨てたのか。

違う、そうではない。

「俺は」

アーサーはエクスカリバーをスラリと抜く。

「今この瞬間より、持てる精も根も、全ての力をモルドレッド討伐に傾ける。すまないグェネヴィア。俺の手では助けられないが、お前は必ずや救い出してみせる」

「っ……」

アーサーの言葉に、磔にされたままのグェネヴィアが微かに微笑む。

王妃よりも仇敵の討伐を優先する。

それでも揺らがぬ騎士王と王妃の愛。

その揺るぎなき信頼が、モルドレッドの神経を逆撫でにする!

「よかろうアーサー!貴様はグェネヴィアを見捨て、この俺との一騎打ちを望むのだな!かかって来い!その代わり貴様の王妃は、醜悪なる俺の配下どもによって輪姦してくれるわ!」

「させるかモルドレッド!」

アーサー、モルドレッド、ケイ、パーシヴァル。

四人の騎士が、四人それぞれの思惑で動き始めた。

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