Knights of the Round
それは、白銀の清浄なる風!

閃光を纏ったアーサーの刺突は、紅と黒の鎧さえも貫き通して、モルドレッドの胴を貫通した!

完全に突き刺さったエクスカリバー。

モルドレッドの口許から、赤黒い血が大量に溢れ出す。

それでも死力を振り絞って。

「ぬあぁぁぁあぁああぁっ!」

モルドレッドはダーインスレイヴをアーサーの頭に叩き込む!

命中したのが切れ味の悪い鍔元だった為に命までは奪えなかったが、それでもアーサーを昏倒させる。

「陛下!」

敵兵達を薙ぎ倒し、何とかグェネヴィアを救出したケイとパーシヴァルが声を上げる。

「く…くくっ…神である俺を…人の身で討ち滅ぼすか…聖王の名は伊達ではない…」

血塗れのままよろめくモルドレッド。

「こ、これで…」

まだ朦朧とした意識のまま、アーサーは上体を起こす。

「これで…この戦の元凶は滅びた…再びブリタニアは平定されるのだ…モルドレッド…」

「元凶…?」

朱に染まった顔で、モルドレッドは笑った。

「元凶だと?アーサー、貴様はこの戦の元凶が俺だと思うのか」

「何…?」

アーサーだけでなく、ケイ、パーシヴァル、グェネヴィア、そして全ての兵士達がモルドレッドの言葉に耳を疑う。

「俺は確かにアーサーとキャメロット王国滅亡の為に貴様らを裏切った…しかしそれは…貴様ら王族への復讐の為ではない…」

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